お知らせ
住職として、いま思うこと
多くの方が核家族となり、親または子と一緒に住んでいないのではないでしょうか。
私は両親ともに亡くなっており、父は私が24歳の時に病気で亡くなりました。
なので、25歳で住職に就くという事に。
漠然と寺院の跡を継ぐという思いはありましたが、そんなに早く継ぐとは思っていなく、色々な事が辛く思い、実は何度「住職を辞めたい」と思ったか分かりません。
そこから30年ほど経ち、様々な家族の姿を見てきました。 また子育てを経験した中から、親への思いに変化がありました。
数年前より耳にした話で、亡くなった後のお骨を「お荷物」として捉え、葬儀屋さんに「いらないので処分して下さい」と言われる方がいるそうです。
また後見人をされている方から聞いた話ですが、施設に入っている方の家族から、「死んでも連絡しないで下さい もう関わりたくないので」と言われたとも聞きました。
私が直接聞いた話では、お子さんから、「もう面倒も見ないからな」とキツく言われたと話をして下さった方もいます。 とても悲しく心の痛む話です。
ただ、多くの方は一生懸命私を育ててくれた親に対して、感謝の思いを持っていると思ってますし、そうあって欲しいと思います。
また逆に、私が接してきた多くの親となっている年代の方々は、常にお子さんのことを心配し、大切な子ども達に負担を掛けたくないと考えています。
住職として多くのご家族を拝見してきただけに、親心というのは、生まれてから死ぬまで絶える事のないものと、気付かされます。
老いや命の終わりを考えた時、嫌なものとしてしか捉えられないかも知れませんが、とても大事なものに気付くキッカケを与えてもらえるものでもあります。
時代が変わり、毎日の生活に追われ目先の物ばかりに追われながら暮らしていると、余裕がなくなり大切なものでも、煩わしく思い自分中心になっていってしまいます。
私も両親が健在の時には、自分中心でしか考えられず、親の思いの深さに気付いたのは、子育てした中でした。
両親が亡くなった今、私の様に悔いる思いをして欲しくありませんし、まだ間に合うと感じていただけたらと思います。
私の思いが、親の事、そして自分のいのちを見つめていただけるキッカケになれば有難く思います。
その中で、お寺が力になれることがあればと存じます。
どうぞ遠慮なくお聞かせ下さい。
※ 親の事を考えた時に私がオススメする動画がございます
トヨタ自動車のCMなんですが、「親子に同じ質問をしてみた」編です 以下がリンクです
リンク先が不安だと思いましたら、youtubeで「親子に同じ質問をしてみた」で検索してみて下さい